羨望のまなざし

その目は恋でも愛でも好きでも会いたいでもなく、ただのあこがれで、それと錯覚してはいけません、わたしたちはうっかりやっぱり間違えてしまうのだけれど、愛しいとおもってしまってはいけません

孤独であることが生きることと同義である、とおもっていたし、生きているけれど生きている心地や感触や温度や時間が、やけに人間っぽく生々しく、わたしのおもう美しさ、とは実に離れた場所にいて、だから、わたしは無機質でとうめいで白で、切なくて眩しくてあなたしか、みえなかった

クリスマスに起きることは大抵良いことではなくて、ああそうだった、幼稚園のとき、籠から毛糸をころころころん、とステージから落っことしたっけ、当日は出番のみ、わたしにはクリスマスも祝祭も時間もなくって、お家へ、帰ったっけ、そうそう、そうだった、もう予感は確かにあったんだね、小さかったわたし、わたしにしかわからない切なさってあったよねって、そんなこと

 

伊勢丹を散々歩いて散財して、疲れたねってタクシーに乗って、家まで帰る、窓の外、ひとが歩いている、わたしは歩くのが好きなのに、電車の音も景色も人も、好きなのに、ああでもとなりには、まぼろしになる、透明じゃないかなしさも切なさもどうでもいいもあって、鬱々とおもうけれどぷかぷか笑って、あなたのとなりにわたしはいないんじゃない、きっと

ようやく人間らしくなってきたねって言うけれど、わたしは人間に、なりたかったのかな、

生きていることと未来に希望はあるのかと、金曜日の真夜中にこんな話しちゃって、ってファミリーレストランでビール飲んで家であなたがよく飲むビールを買ってみた、にがい、にがい、あなたはにがい

2:22 am  •  26 December 2017