世界が乱れて視えている

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「乱視ですね〜」

「ああそうですか」

ずぅっと以前、近視だと言われたことがあって、ああまたそれか、とおもったけれど、乱視はまた別物だ、わたしの世界は乱れていたんだ、という事実を知ることになったのでした

数年前の春に、大切なひとと同じ名前の眼鏡を買って、

その時にきっと一生つけないであろう、サングラスをもういっこ、と貰ったのだった(じきに国境をこえてつかうことになる)。

そこからずっとコンタクトがほとんどだったし-仕事場では眼鏡をかけることができなかったから結局お高くて好きなひとと同じ眼鏡はほとんど使われないままだった、

しばらくして仕事場がかわって、かけちゃだめ、とか気にしなくてよくなったけれど良く視えるからという理由とか何とかで、コンタクトばかりだったけれど

この夏に好きなひとと眼鏡をいっしょに買った

保証書が二枚、わたしのスケジュール帳に入りっぱなしだ

そのひとがいない間はお守りのように毎日つけていた、そして眼鏡じゃないと生活できなくもなっていた

「いずみちゃんってさ、自分の好きなものとか興味あるものばっかりだよね。そんなんじゃだめだよ。」

と言われたことがあって、どうして、どうして好きなものだけで自分の世界をつくってはいけないのだろう、と単純に疑問におもった、のを、よく憶えている

好きなひとの好きなものが好きになって自分の世界が好きになっていくことだって、それが世界が拡がることだって、あるのではないだろうか、わたしの好きなひとは「いずみちゃんは知らない世界を持っている」からいっしょによくいてくれた。本当に側にいてくれておかしくなるまで側にいてくれたおかしくなっても側にいてくれたことがまた可笑しいねって笑っていた、それがほんとうの笑顔だったらいいな、すべてが失くしたくなるような思い出になってないといいな、とただただ、願っています

気持ちが溢れる文章は改行がないって、そのひとが言ってくれていた、もっと文章をみたいとも言ってくれていた、絶対にこんなのみたら怒るのだろうが、それでもわたしはこれしか、気持ちしか、書けないのだと、おもう

乱れた世界、あなたと買った眼鏡は、ぱきい、と何の前触れもなく折れた

あなたとの世界も折れたような気持ちになった

だからあたらしい眼鏡を今日、買いに行った、グレーの、ネイビーじゃなくて、グレーの。わたしを守る色だから。

あなたはわたしを忘れて生きられますか?

8:37 pm  •  20 November 2018