全てと唯一を測り合う

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土曜日、朝の、京王線、「ゆき、ゆき、ゆき」男の子の話す言葉の音

日曜日、夜の、小田急線、「だいすきです、だいすきです」くるくる回る、ホームを行ったり来たりしながらわたしはあの人に言う、同等のだいすきは返ってこないけれど、微かに安堵した笑い声は届いている

静かそうだとか、教室の隅で本読んでるだとか、本音と本心はどこにあるのだとか、とやとや言われるけれど、全てをカーテンでくるっとまとめてその中にいるような、みえているけれど、きっと何も、みえていない

銀色のお盆ひとつの距離があなたとわたしにはあって、それは、知っている?深夜2時40分のファミリーレストランのこと憶えている?

だいすきですって何度も口にして、心がこもってないよなんて言うけれど、ほんとうにおもってるってほんとうは知っているの

ぜんぶぜんぶちゅうとはんぱに落として、その冬の隙間に、新宿御苑のひらけたところ、わたしは上をみてひた走る、走る、走って、走った先に

あなたがみえる?

8:46 pm  •  9 December 2017