言葉にならないくらいの、光で、今日がいっぱいで、満ちている

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8月10日、海へ行った。
帰ってきたら、いっしょにいこうね、って言っていた海。
いっしょにいけないからって、燻っているのもなんだか私ばかみたいなので、大切な子を誘った。
写真で見ていた場所とおそらく違っていて、
ふつうの、人がたくさん泳いでいる海だったけれど、ふたりで砂浜を歩いてみたり、波の近くまで歩いてみたり、美しい石を拾ってみたり。
畳の上で、遠くの海を眺めながら、ビールをのんだ。
数日前の真夜中につくったどら焼きも。
ビールとどら焼き。
夕方になって、また砂浜を歩いて、赤いボール、海に放り投げて。投げても投げても、ボールは戻ってくる。
海岸を背にして、靴のなかの砂をぽかぽかはたいていたら、左耳のイヤリングがなくなっていた。
探そうよ、にんにく、って言いながら探したら、魔女が嫌いな言葉だから、見つかるって、言ってた、だから。
って、にんにく〜♪と口ずさみながら、来た砂浜を戻る。けれど赤いボールみたいに、戻ってこない、こんな広い海で。砂浜で。
でもあるよ、あるとおもう、って、私たちは手をつないで、海辺を歩く。
透明でぷにぷにのくらげを触った場所を目印にして。
けれどやっぱりないのであって。うん、もう、帰ろうか、うん、って、言っていた、海を背景にきゃっきゃと写真を撮る女の子たちを横目に、みて、その子たちの、足元を見たら。

グレーとパールの、イヤリング。

きゃっきゃと言っていた女の子たちよりも、きゃっきゃと。やったぁ!と。言い合って。にんにくって言葉の力を少しだけ信じてしまうよ。

また砂まみれになった靴を、ぽかぽかして、私たちはまた歩く。

 

2:32 am  •  11 August 2017