静謐さ、たゆたう夏の間に間に

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六月、自分の部屋で何回ねむったの、

ええと、二回、かなあ

それは家って言えるのか、と、問われたらただのわたしの物だけが生きている場所でしかなく、そこに生身の所有者わたくしの存在はなく、時間が過ぎ行けば、自転車だってこわくなくなるし、家にひとりでいるのもこわくないし、なにかにずっとずっと怯えて生きていかなくていいし、突発的に泣いたりしなくなるし、ああとええと、そんなこんなでこの部屋はもうあとわずかしかいないことになり、週に二回、帰ってくることが約束ね、という、おうちを手に入れる七月、たゆたって六月、いつまでつづくのかわからないけれど、あなたとわたしであればよかったんだ、この世界に僕たちしかいない、と真夜中きこえたんだ、まぼろしだって夢だってうつつだってかまわない、その真夜中は永遠に閉じ込めて、紐を解くように僕たちを解いて、二人の世界、二人だけの世界、ようやくここが僕たちだけの呼吸となった、生きていく世界になった、なんだっていいから二人は二人で完結するのだ、わたしは今でも、あなたの清流であるのでしょうか、美しいままでいれるのでしょうか、この世界で

 

2:43 am  •  5 July 2018