丸に楯突く
2018年、の、わたしにはあまり記憶、というものが、残っていない。
大切なあの子と交わした約束も、
大好きなあの人と歩いた道も、
場所も時間も丸っと抜けている、とおもう。
とおもう、というのは、忘れたことさえ忘れているし、憶えることを憶えられないからで、
だから、ほんとうのところ、ほんとうに悲しくないのだった。
だって憶えていないから、その記憶が、なかったことになっているから。
言葉にされると思い出す。
あ。っと。
ほんとうに、あ、に、丸がつくような感覚で。
だからたくさんのことを書くようになったけれど、君と話したことを全て書き記すことができないのだから、憶えていないのだから、虚無感、二人の間には何もなかったかのように。
「ナイトランデヴー」という曲を聴くと思い出すことがあって、
ああこの時に、戻れたらって、
何度だって、思い出す。