生まれなおします
光だ、みえないけれどそれは確かに、あきらかに、ほのかに。わたしには映って、ああ、終ったんだなあって、なにもかも、苦しみも痛みも歯痒さも悲しみも。かなしみ、かなしいって文字は、悲ー哀ー愛し、と、内包しているものが、あなたに、みえますか。
苦しさをはぐらかすようにまるで逃げるように、眠っていた。今も確かにねむって、夢の世界、一日に膨大な量の夢を見る、醒めないままこのはざまで、生きていたいと願いながら。
そして起きて、映画館の暗闇に溶ける。あるいは劇場の。絵画の。ひとのつくったものに己を重ねたり想い馳せたりたり、たり、たり。
ただひたすらに闇雲に、ああ闇だった。とっても暗くて、息も、できないほど。眠るというよりも、闇に、おちていく。わたしはもう窒息、しそうだったんだ
うつろう季節の間で、大好きだった春、消える夏、訪れる秋。だいじょうぶ、きっともうわたし、だいじょうぶよ
だいじょうぶ、になるってこと、痛みに鈍感に、なって、大切だったことも忘れちゃうのかなってそんな、気持ちになるけれど。憶えているよ。わたしが、わたしのこと
大丈夫、守りたいものがまだ、あるでしょう?
生きていて 生まれなおったよ、おかえり。