あなたはわたしの着地点

おなじ温度と感覚と方角、を持ち寄って、おなじ言葉が通じる。わたしの目が爛々と光っているのがみえる。わかる。じぶんの目、なんて、みれないのに。目が目を反射するように、きらきらふつふつと、沸いていたのでした。

シャネル・ボーダーに、しろい鞄。ファンシー・ノスタルジックと呼ばれた、now-閉じた世界の服を纏う。ほどよい緊張感、それは以前よりもそれは透明になって、夜道をまだ熱いままの温度で会話を繰り返す。

急ぐ必要なんてないのだと、一〇年だ、十年、何度も言い聞かせているけれど、それでもわたしは一刻もはやく先へ、未来へ、光へ向かいたいのだった・

努力、って言葉が何となく通過するようになって、努力。偶然性に値する努力。いつからしなくなったのだろうと自分に問うてみる。向かうために努力、しなきゃいけないんじゃない?

万人に届けなくてはと、多くの人がわかってくれたらいいのに、と、嘆いておもっていた。けれどその必要はないのよと、教えてくれた。なんだか、ああ、と絡まっていた糸が、解けてゆく感覚がここにあった。

伝えたいという衝動ばかりが胸を打つ。忘れてはならないけれど、過った方向に行きそうだった。わたしをわたしのまま認識し、受け入れ、問いただしてくれる大人が、こうやってどうしてか、偶然に(これも何らかの因果関係があるのかもしれない)、教えて、くれる。生き方を。

春と夏のあいだに、十年後まわりにすげぇやつが出てくるんだ、おまえらもそうなる、って言った大人がいた。

その、すげぇやつ、わたしのまわりじゃなくて、わたし自身がなるんだっておもわなくて、どうするの?わたしはどんな言葉を紡いで、どんなひとで、どんな優しさや正しさやきらめきを合わせて、すげぇやつになるんだろうかなってわくわくしちゃう、くらいの、意気揚々!気分上々!気合上等!で生きていたい、あなたはわたしの着地点。

3:25 am  •  30 September 2016